緑内障
失明原因の第1位となる重大な疾患-
緑内障は40歳以上で16人に1人が患うとされる非常に身近な疾患です。見える範囲が徐々に狭まるなど視野に関する異常が特徴的に見られ、異常を放置し続けるといずれ失明に至る可能性のある大変怖い病気です。しかしながら見え方の変化はご自身だけではなかなか気づきにくいという問題を抱えており、それゆえ定期検診などの機会を有効に活用し、異常の早期発見に努めることが何よりも求められます。
視野の欠けや狭まりはいずれ失明につながる危険があります
緑内障は見える範囲(視野)に徐々に異常が現れるようになるのが特徴的です。初期の段階では視野の一部に欠けができ、中期以降では徐々に見えづらい箇所が大きく広がってゆきます。異常を放置し続ければ最終的には残念ながら失明に至ります。一般的に視野の狭まりは外側から始まることが多く、徐々に中心部分のみが残されていく形となります。進行スピードについては個人差が大きく、急激な進行となる場合には眼圧の上昇に伴って目の痛みや頭痛、吐き気などといった症状が現れます。
緑内障 見え方の変化
こんな症状に心当たりはありませんか?
- 見える範囲(視野)に違和感がある
- ものにぶつかりやすくなった
- 転倒しやすい
- 視力の低下がみられる
- 眼に痛みを感じる
- 充血している
- 目がかすむようになった
- 頭痛や吐き気がある
など
原因は視神経の異常
私たち人間が「ものが見える」と認識するためにはさまざまな過程を経ています。目に入り込んだ光によって像が網膜に映し出され、それをもとに脳へと情報伝達が行われています。この大事な情報伝達の役割を担うのが視神経です。視神経に何らかの障害が起きると正しい情報伝達が行われなくなり、見え方にも異常が現れるようになります。原因のひとつに眼圧(眼球の形状を維持するために働く圧力)が挙げられます。眼圧が上昇すると視神経が圧迫されダメージを受けやすくなるだけでなく、次第に血流までが阻害されていずれ神経細胞が死滅し視力が失われてゆきます。
緑内障の種類
眼球内には房水と呼ばれる水が巡回しており、隅角と呼ばれる出口から排出されています。この出口部分に何らかの問題が起きると、房水の産生量と排出量のバランスが乱れ眼圧に変化が生じます。
開放隅角緑内障
隅角は開いているものの徐々に目詰まりが起きることで眼圧が上昇する
症状は緩やかに進行しやすい
正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲内(10~21mmHg)にあるものの緑内障の症状が引き起こされる
特に日本人に多くみられる傾向があり、緑内障患者全体の約6割がこれにあたると考えられている
閉塞隅角緑内障
隅角が狭まったり塞がってしまうことによって房水の流れが妨げられて眼圧が上昇する
症状が急激に現れる場合もあれば、慢性的に緩やかな進行をすることもある
その他にも
先天緑内障
隅角部分に生まれつき問題がみられることで緑内障が引き起こされるもの
続発緑内障
角膜の疾患や網膜剥離、外傷や炎症、糖尿病などによって引き起こされる眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤の影響によって引き起こされる緑内障があります。
当院の院長は緑内障研究に20年以上のキャリアを持つエキスパートな医師です
当院の院長は20年以上にわたって緑内障研究を続けている医師です。実際の診療現場においてもさまざまな症例を熟知しており、専門性の高い知識と経験を有しています。現在もなお各種勉強会や研究会への参加を続けており、精度の高い診療をご提供いたしております。
緑内障は進行が緩やかであるがゆえに異変に気づきにくい
進行が緩やかな緑内障では、ご本人だけでは見え方の異常になかなか気づくことができません。なぜなら最後まで中心部分だけは残り続けてものが見えるため、ご本人としては「見えない」という感覚になりにくく長期に渡って異常が放置されやすくなります。気づいたときには治療の施しようがない段階にまで進行されていることがよくあります。
早期発見のためには定期的な検査確認の機会が重要となります
緑内障に関する異常を早期に見つけ出すためには、視野検査と呼ばれる専門的な検査が必要となります。定期的な健康診断などご自身で検査機会を積極的に設ける意識が何よりも重要となります。
当院は初回の診察時に必要な検査をまとめてお受けいただけます
緑内障の診断に重要となる視野検査は時間がかかる検査となるため、通常のクリニックでは診察とは別の日にあらためて行われることが多いです。しかし当院では、患者さんの通院に対する負担を最小限に抑えるため、初回の診察時に視野検査など診断に必要となる検査をできるだけまとめてお受けいただけるように努力しています。院内には各種機器も豊富に取り揃えており、経験豊富なベテラン検査員が担当いたします。
緑内障の治療について
治療にあたっては眼圧を下げる治療が基本となります。進行の程度によって点眼薬を用いた治療法やレーザー治療、専門性の高い高度な手術治療などが行われることもあります。異常を放置し続けてしまうといずれ失明につながる危険があるため、早期の治療開始が何よりも求められます。
さらに高度な治療が必要と判断された場合には、近隣の高次医療機関と密に連携し迅速にサポートいたします
診断の結果、さらに専門性の高い治療や検査が必要と判断された場合には、近隣の高次医療機関とも密に連携し柔軟に対応させていただいております。術後の経過確認等は当院にて引き続きお受けさせていただくことが可能です。
緑内障は早期に治療を開始することができれば進行を食い止めることができる病気です
緑内障推定患者数は約200万人以上と考えられていますが、その内の実に80%の方が自覚症状のない潜在患者であると言われています。緑内障は早期に異常に気づき、適切な治療を開始することができれば失明に至る可能性は大幅に下げられ、進行を抑えることができる病気でもあります。初期では点眼薬だけでも十分に効果を発揮し、症状を食い止めることが可能です。緑内障の疾患の有無については視神経乳頭と呼ばれる神経の形を調べる専門的な検査を受けることによって比較的すぐに判明します。異常の早期発見を叶えるために、定期的な検査確認の機会を設けることをぜひ意識していただければと思います。