診療内容
診療受付時間のご案内
診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:30~12:30 | ● | / | ● | ● | ● | ● | ● |
14:00〜18:30 | △ | / | ● | ● | ● | ● | ● |
休診日/火曜日(※火曜日が祝日の場合も休診)
△…月曜のみ14:00〜18:00
社保・国保 各種保険取扱い
コンタクトレンズ処方をご希望の患者様へ
西宮ガーデンズ館内のコンタクトレンズ販売店にてコンタクトレンズをご購入予定の患者様につきましては、先に3階にある販売店にお立ち寄りのうえご来院いただきますようお願い申し上げます。
眼科一般
【近視進行抑制の目薬、低濃度0.01%アトロピン(マイオピン)の取り扱いを始めました】
白内障
白内障は、水晶体と呼ばれる目のレンズ部分が白く濁ってしまう疾患です
原因
加齢が主原因早い方で40代から、80代では大多数の方に白内障の所見がみられます。その他、先天的な問題や外傷、糖尿病による合併症や薬剤の副作用によっても起きることがあります。
代表的な症状
- ものがかすんで見える
- 二重に見える
- 光をまぶしく感じるようになる
- 視界が見えにくい
- 色を鮮やかに感じにくい
- 視力低下
など
治療について
初期の段階では点眼薬を用いた治療で進行を抑制できますが、重度の場合には濁った水晶体を手術で取り除き、代わりに眼内レンズと呼ばれる人工のレンズを埋め込む治療が必要となります。
白内障は早期に適切な治療を加えれば基本的には失明に至ることはありません
白内障は別名「老人性白内障」と呼ばれるほど、加齢と深い関係性を持ちます。一度濁ってしまった水晶体はもとに戻すことはできませんが、最新の医療技術によりレンズ交換が可能です。放置すればいずれ失明に至る怖い病気ながらも、早期に適切な治療を加えることができれば進行を大きく食い止めることが可能となります。定期検診等で異常の早期発見に努めていただきたいと思います。
緑内障
失明原因の第1位となる重大な疾患-
緑内障は40歳以上で16人に1人が患うとされる非常に身近な疾患です。見える範囲が徐々に狭まるなど視野に関する異常が特徴的に見られ、異常を放置し続けるといずれ失明に至る可能性のある大変怖い病気です。しかしながら見え方の変化はご自身だけではなかなか気づきにくいという問題を抱えており、それゆえ定期検診などの機会を有効に活用し、異常の早期発見に努めることが何よりも求められます。
視野の欠けや狭まりはいずれ失明につながる危険があります
緑内障は見える範囲(視野)に徐々に異常が現れるようになるのが特徴的です。初期の段階では視野の一部に欠けができ、中期以降では徐々に見えづらい箇所が大きく広がってゆきます。異常を放置し続ければ最終的には残念ながら失明に至ります。一般的に視野の狭まりは外側から始まることが多く、徐々に中心部分のみが残されていく形となります。進行スピードについては個人差が大きく、急激な進行となる場合には眼圧の上昇に伴って目の痛みや頭痛、吐き気などといった症状が現れます。
こんな症状に心当たりはありませんか?
- 見える範囲(視野)に違和感がある
- ものにぶつかりやすくなった
- 転倒しやすい
- 視力の低下がみられる
- 眼に痛みを感じる
- 充血している
- 目がかすむようになった
- 頭痛や吐き気がある
など
原因は視神経の異常
私たち人間が「ものが見える」と認識するためにはさまざまな過程を経ています。目に入り込んだ光によって像が網膜に映し出され、それをもとに脳へと情報伝達が行われています。この大事な情報伝達の役割を担うのが視神経です。視神経に何らかの障害が起きると正しい情報伝達が行われなくなり、見え方にも異常が現れるようになります。原因のひとつに眼圧(眼球の形状を維持するために働く圧力)が挙げられます。眼圧が上昇すると視神経が圧迫されダメージを受けやすくなるだけでなく、次第に血流までが阻害されていずれ神経細胞が死滅し視力が失われてゆきます。
緑内障の種類
眼球内には房水と呼ばれる水が巡回しており、隅角と呼ばれる出口から排出されています。この出口部分に何らかの問題が起きると、房水の産生量と排出量のバランスが乱れ眼圧に変化が生じます。
開放隅角緑内障
隅角は開いているものの徐々に目詰まりが起きることで眼圧が上昇する
症状は緩やかに進行しやすい正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲内(10~21mmHg)にあるものの緑内障の症状が引き起こされる
特に日本人に多くみられる傾向があり、緑内障患者全体の約6割がこれにあたると考えられている閉塞隅角緑内障
隅角が狭まったり塞がってしまうことによって房水の流れが妨げられて眼圧が上昇する
症状が急激に現れる場合もあれば、慢性的に緩やかな進行をすることもあるその他にも
先天緑内障
隅角部分に生まれつき問題がみられることで緑内障が引き起こされるもの
続発緑内障
角膜の疾患や網膜剥離、外傷や炎症、糖尿病などによって引き起こされる眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤の影響によって引き起こされる緑内障
があります。当院の院長は緑内障研究に20年以上のキャリアを持つエキスパートな医師です
当院の院長は20年以上にわたって緑内障研究を続けている医師です。実際の診療現場においてもさまざまな症例を熟知しており、専門性の高い知識と経験を有しています。現在もなお各種勉強会や研究会への参加を続けており、精度の高い診療をご提供いたしております。
緑内障は進行が緩やかであるがゆえに異変に気づきにくい
進行が緩やかな緑内障では、ご本人だけでは見え方の異常になかなか気づくことができません。なぜなら最後まで中心部分だけは残り続けてものが見えるため、ご本人としては「見えない」という感覚になりにくく長期に渡って異常が放置されやすくなります。気づいたときには治療の施しようがない段階にまで進行されていることがよくあります。
早期発見のためには定期的な検査確認の機会が重要となります
緑内障に関する異常を早期に見つけ出すためには、視野検査と呼ばれる専門的な検査が必要となります。定期的な健康診断などご自身で検査機会を積極的に設ける意識が何よりも重要となります。
当院は初回の診察時に必要な検査をまとめてお受けいただけます
緑内障の診断に重要となる視野検査は時間がかかる検査となるため、通常のクリニックでは診察とは別の日にあらためて行われることが多いです。しかし当院では、患者さんの通院に対する負担を最小限に抑えるため、初回の診察時に視野検査など診断に必要となる検査をできるだけまとめてお受けいただけるように努力しています。院内には各種機器も豊富に取り揃えており、経験豊富なベテラン検査員が担当いたします。
緑内障の治療について
治療にあたっては眼圧を下げる治療が基本となります。進行の程度によって点眼薬を用いた治療法やレーザー治療、専門性の高い高度な手術治療などが行われることもあります。異常を放置し続けてしまうといずれ失明につながる危険があるため、早期の治療開始が何よりも求められます。
さらに高度な治療が必要と判断された場合には、近隣の高次医療機関と密に連携し迅速にサポートいたします
診断の結果、さらに専門性の高い治療や検査が必要と判断された場合には、近隣の高次医療機関とも密に連携し柔軟に対応させていただいております。術後の経過確認等は当院にて引き続きお受けさせていただくことが可能です。
緑内障は早期に治療を開始することができれば進行を食い止めることができる病気です
緑内障推定患者数は約200万人以上と考えられていますが、その内の実に80%の方が自覚症状のない潜在患者であると言われています。緑内障は早期に異常に気づき、適切な治療を開始することができれば失明に至る可能性は大幅に下げられ、進行を抑えることができる病気でもあります。初期では点眼薬だけでも十分に効果を発揮し、症状を食い止めることが可能です。緑内障の疾患の有無については視神経乳頭と呼ばれる神経の形を調べる専門的な検査を受けることによって比較的すぐに判明します。異常の早期発見を叶えるために、定期的な検査確認の機会を設けることをぜひ意識していただければと思います。
屈折異常(近視・遠視・乱視)
屈折異常とは、ものを映し出す機能が正常に行われていない状態を言います。近視・遠視・乱視の3種があり、いずれも像を正確にはっきりと網膜に映し出すことができないため、ものがぼやけて見えたり見えづらさを感じる疾患です。特にお子さんの場合には弱視や斜視の原因となることもあるため、早期の異常を見つけ出す取り組みが重要となります。
「ものが見える」メカニズムについて
「ものが見える」と認識されるまでには、目の中のさまざまな構造や機能が関わっています。屈折異常が起きると、いわゆる “ピンボケ”の状態となってしまい、像を鮮明に映し出すはずの網膜部分への焦点が正しい位置であいづらくなってしまいます。
「ものが見える」ためのメカニズムとしては、まずは外から入った光が目のレンズ部分(角膜や水晶体)を通過し目の奥に入り込みます。レンズで光を屈折させて目の奥の網膜と呼ばれる部分に像を映し出しています。遠くにあるものや近くのものを見る際は、毛様体筋と呼ばれる筋肉が収縮・弛緩することでレンズの厚みを自在に変化させてピント調整を行っています。しかし近視・遠視・乱視といった屈折異常が起きると、本来よりも手前や後ろで像を結んでしまうこととなるため、ものがぼやけて見えたり二重に見えたりにじんで見えるなどといった障害が現れるようになります。近視
レンズの役割を果たす角膜や水晶体部分の光を曲げる力が強過ぎる、もしくは眼球の奥行きが長いなどといった理由によって、本来の網膜の位置よりも手前で焦点を結んでしまう状態を言います。そのため遠くのものを見る際には特にものがぼやけて見えるようになるのが特徴的です。
遠視
レンズの役割を果たす角膜や水晶体の光を曲げる力が弱過ぎる、もしくは眼球の奥行きが短いなどといった理由によって、本来の網膜の位置よりもさらに後ろに焦点を結んでしまう状態を言います。そのため近くのものを見る際や薄暗い場所ではものが見えづらくなります。
乱視
角膜や水晶体の縦・横に対して屈折力の差があることで、歪みやものを見る際に二重に見えるようになります。レンズ自体に歪みがあることで、本来像を映すべき網膜のどこにも正しく像を結べない状態となってしまいます。メガネやコンタクトレンズを用いて屈折の程度を矯正できる正乱視と矯正の難しい不正乱視の2種があります。
診断に必要となる検査について
視力検査
アルファベットのCの文字に似た形の上下・左右・斜めなどの輪のどこで切れているかを判別することで視力を測ることのできる検査です。
屈折検査
目のレンズにあたる部分の湾曲を詳しく測定する検査や眼球の前後軸の長さを測る検査などさまざまな項目を通じて総合的な目の機能を測定します。
調節機能検査
視力の急激な変化は目にかかる負担や疲れなどといった眼精疲労に由来することも多くみられます。ピント調整を行う際に目に過度な緊張が生じていないかを正しく確認する必要があります。
その他にも視力の低下にはさまざまな疾患による影響や別の問題が隠されていることがあります。重大な異常の有無の可能性を慎重に判断するために視野検査や、眼圧検査、眼球運動などの検査が行われることがあります。屈折異常は特に若年層の患者さんほど急激に進行しやすいため警戒が必要です
屈折異常に関しては若年層の患者さんほど進行が急激に起きる心配があります。中でも急な近視に悩む患者さんは非常に多く、日常的にパソコンなどの作業を伴う仕事をされている方などは眼精疲労から来る視力の低下なども顕著にみられます。
屈折異常は外的要因による発症も多くみられます
屈折異常は生まれつきの目の構造による問題以外にも、外的要因が深く関与していることがわかっています。発症や進行速度を最小限に抑えるために、患者さん側でも普段の生活の中から気をつけられることがあります。
- テレビ画面やパソコン作業の際には目を近づけ過ぎないように注意する
- 暗い場所でものを見ないようにする
- スマートフォンやIT機器を長時間使用しない
- 寝ころんだ姿勢で画面を見ないようにする
など
当院の診療方針
急激な進行を防ぐためには何よりも早期発見が鉄則となります。ものの見え方はご本人にとっては日常的であるがゆえに変化に気づきにくく発見が遅れがちな傾向があります。また、屈折異常の問題以外にも深刻な目の病気が隠されていることは、実際の診療現場において日常的によくみられる事例です。特に緑内障に関しては40歳以上の発症率が16人に1人と言われるほど非常に身近な疾患となっています。当院ではその他の疾患の可能性の有無も含めた詳細な検査や分析を積極的に行っております。また、問診時には患者さんを取り巻く環境などについてのご質問なども詳しく取り入れながら、具体的にどのような改善を図ることが効果的かをご一緒に検討させていただければと思います。
屈折異常の治療について
目に入る光の屈折を正しく調整するために近視には凹レンズを、遠視には凸レンズを主に用いて補正を行います。眼鏡やコンタクトレンズを使用した治療の他、レーザーを用いた治療によって角膜の屈折力自体を変化させることで矯正を行うこともできます。乱視も補正レンズを用いて矯正することが可能ですが、角膜の問題など他の疾患による影響が深く関与している場合には矯正治療が難しいこともあります。詳しい治療内容については医師までお問いあわせください。
当院ではラインナップ豊富なレンズを取り揃えております
当院は小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年代層の患者さんにお越しいただいております。メガネやコンタクトレンズの取り扱い商品についても種類豊富にご用意いたしております。患者さん一人一人のライフスタイルに応じたきめ細やかなご要望に、スタッフが親身にお応えさせていただきながらご提案させていただいております。スタッフは経験豊富なベテラン揃いですので、気になる点やご相談事などございましたらどうぞお気軽にお声がけください。
老視
一般的には「老眼」と呼ばれる老化現象であり病気ではありません
原因
「ものが見える」ためには、目の奥にある網膜と呼ばれる場所に正しく焦点のあった像が結ばれる必要があります。しかし加齢(老化)によって像を作り出すピント調節機能や外からの光を目の中に取り込む力が衰えるようになります。その結果、近くの小さな文字が読みづらくなるなどといった問題が生じやすくなります。老視は一般的に「老眼」と呼ばれ、特別な病気ではなく老化現象の一種にあたります。
代表的な症状
- 目が疲れやすい
- 本や新聞など手元の距離にある文字がぼやける
- 細かい作業が難しい
- 小さな文字の読み間違えが多い
- 頻繁に肩が凝る
- メガネをかけても近くのものがぼやける
など
治療について
老視は老化現象であるため、根本的な予防法はありません。衰えたピント調節機能を補うためには老眼鏡を使用します。最近では多焦点レンズや老眼専用のコンタクトレンズも登場し人気を博しています。
年齢を重ねれば誰でもものの見え方が変化します
老化は誰にでも等しく起こる体の自然な変化です。しかし、焦点のあわないものを無理をして見続けることは、体に対して過度な負担となります。疲れやすくなったり肩凝りがひどくなったり頭痛がするなど、目以外の部位にもさまざまな問題を招きます。適切なタイミングで老眼鏡の作成をご検討ください。
不同視
左右の視力に大きな差がみられる目
原因
不同視は俗に「ガチャ目」とも呼ばれ、左右の目の視力に大きな差がある状態を言います。目の奥行きの長さの違いによっても視力差が生まれるため、一般的には生まれつきの問題であると考えられています。
代表的な症状
- 左右の目で見え方が異なる
- 視野の広さに違いがある
- 目が疲れやすい
- 目の位置が不自然
- 距離感や立体感覚がつかみにくい
- 肩凝りや頭痛が頻繁に起きる
- めまいを感じやすい
など
治療について
左右の視力が大きく異なる場合には、人は視力の良い目のほうに自然と頼るようになります。その結果、片方の目は使われなくなり、いずれ弱視となります。「両目でもの見る」という機能を正しく維持するためにも、それぞれの目にあったコンタクトレンズやメガネの装着などで矯正治療を図る必要があります。
乳幼児期は特に早期発見が求められます
視力の発達が著しい乳幼児期に不同視が見逃されると弱視となる危険性が非常に高くなります。弱視は早期に適切な機能訓練を加えることができれば高い確率で治る疾患です。異常の多くは3歳児検診の際に見つかりますが、お子さんの目の動きや見え方に対して不安を感じる場合には迷わずご受診ください。
弱視
視力矯正を行っても視力の回復がみられない疾患
原因
弱視とは視力発達がピークを迎える乳幼児期に、何らかの先天的な機能障害を原因として正常な視力発達が妨げられてしまった状態を言います。特に不同視であった場合には、視力の良い目のほうでものを見る癖がついてしまい、もう片方の目は機能が失われて弱視となります。ご本人にとっては片方でもしっかりとものが見えるため「見えない」とは感じません。そのため専門的な検査を加えなければ異常が見逃される危険があります。
代表的な症状
- 極端に近づいてものを見る癖がある
- 目の位置がずれている(斜視)
- 片方の目でものが見えにくい
- 首を傾けてものをみる癖がある
など
治療について
何よりも求められることは弱視の早期発見です。お子さんの治療にあたっては、片方の目を遮閉して正しく両目でものを見るという訓練から始めます。メガネを着用したり、視力の弱い方の目を積極的に使うようなトレーニングを行います。
弱視は早期発見・早期治療ができれば治る可能性の高い疾患です
弱視は放置すると深刻な視覚障害を招きます。特に低年齢のお子さんはご自身で異常を訴えることが難しいため、周りにいる大人たちの気づきが重要となります。弱視は早期発見できれば高い確率で治る疾患です。諦めず早期にご相談ください。
結膜炎
ウイルス性の結膜炎は人から人への感染を広げる危険があります
原因
結膜とは白目とまぶたの裏を覆う半透明な膜のことを言います。本来であれば異物の侵入を防ぎ、目全体に潤いをもたらしますが、細菌やウイルス感染、花粉やアレルギー物質、ドライアイなどの影響により結膜部に炎症が生じることがあります。
代表的な症状
- 目の充血
- 目やに
- まぶたの裏に粟粒のぶつぶつができる
- 涙が止まらない
- 光を過度にまぶしく感じる
- 耳の前のリンパ節が腫れる
など
結膜炎には急性のもの(流行性結膜炎・咽頭結膜炎・出血性結膜炎・トラコーマ)と慢性のもの(濾胞性結膜炎・春季カタル)があります。特に強い伝染力を持つ流行性結膜炎は症状が重く出やすく、角膜部分にも炎症が広がるため視力障害が起きる危険があります。
治療について
主には抗生物質の含まれた点眼薬や内服薬を用いて炎症を静めます。目を清潔な状態に保つことも大切な取り組みです。
正しい理解を持って適切な治療が必要となる疾患です
結膜炎の治癒には比較的時間がかかりやすく休養が大切です。家族間でもタオルの共有を避けるなど徹底した感染予防対策が重要となり、正しい理解が求められます。結膜炎を生じた場合にはまずは早期にご受診ください。
角膜炎
目の黒目(角膜)で起きる炎症は視力低下を引き起こす直接的な原因となります
原因
角膜とは黒目にあたる部分を指します。目に入った異物による刺激や、細菌やカビ、ウイルス感染やドライアイなどの影響による炎症が起きると角膜が傷つき、さらには眼球内部の組織にまで感染を広げる危険があります。
代表的な症状
- 過度にまぶしさを感じる
- 目にゴロゴロとした違和感がある
- 充血や涙が出やすい
- ものがぼやけて見える
- 目に痛みを感じる
- 黒目が白く見える
など
重症の場合には視力低下など深刻な事態を引き起こす可能性があります。
治療について
まずは原因となるものに対して抗生物質や副腎皮質ホルモン剤、ビタミン剤の成分が含まれた点眼薬で治療を施します。角膜の表皮が剥がれたり角膜組織をえぐるほどの重症となった場合には、症状が治まった後も視覚障害が残る可能性があります。専門的な検査や治療が必要となる疾患であるため必ずご受診ください。
角膜はものを見るために非常に重要な場所となります
角膜は私たちがものを見る上で不可欠な光を取り入れる場所であり、かつ像を作り出す大切なレンズとなります。角膜に異常が起きるとものの見え方そのものに直接的な影響が現れます。小さな傷でも急激な悪化が起きることも珍しくないため、異常を感じたらすみやかにご受診ください。
結膜下出血
原因不明で起きることも多い白目部分に広がる出血
原因
白目の下に広がる毛細血管から出血が起きることにより、白目部分が鮮やかな赤色に染まって見えるようになるのが特徴的です。原因は多岐に渡りますが、強く目を打ちつけたり急激なうっ血など外的な要因に加え、寝不足や疲れ、アレルギーによる影響などでも血管が拡張しやすく出血が起こります。一方で特に原因が見当たらないケースも多いです。
代表的な症状
- 白目部分が真っ赤に見える
一見、症状が激しく見えるため心配される方が多いですが、出血量自体は非常に微量であるためその他の問題は特に認められません。
治療について
目の機能に関する障害などは特にご心配いただく必要はありません。目立つ目の赤みも10日前後で自然消滅してゆくため特別な治療も基本的には必要ありません。しかし、かゆみや痛み、ひどい目やになどがある場合には別の疾患が隠されている可能性が考えられるためすみやかにご受診ください。
点状のものから斑状、眼球全体を覆う広範囲な赤みがみられることも―
血管の太さは大小さまざまで、それゆえ出血の見え方もさまざまな形で現れます。いずれにおいても眼球内部に血液が流れ込むことや深刻な機能障害が起きることはありませんので過度に心配することなく治癒の経過を見守っていただけたらと思います。
花粉症
花粉症とはその名の通り、植物の花粉が原因となって強いアレルギー症状が引き起こされる疾患です。中でも春は一年のうち最も花粉が多く飛散する時期に重なるため、さまざまなアレルギー症状に悩まされる患者さんが急増します。春や秋など特定の時期になると強いアレルギー症状がみられる場合には季節性のものの関与が疑われますが、年間を通じて症状がみられる場合には通年性のアレルギーである可能性が高くなります。症状は鼻炎や肌のかゆみなど体のさまざまな場所に発生しやすいものですが、特に目に現れるものは「アレルギー性結膜炎」と呼ばれています。目のかゆみや充血が代表的ですが、早期に適切な治療を開始することができれば症状の出方を比較的和らげることが可能となります。
アレルギー性結膜炎による代表的な目の症状
- 目の激しいかゆみ
- 充血
- 涙が止まらない
- まぶたや目の周りの赤みや腫れ
- 目の中のゴロゴロとした異物感
- ひどい目やに
など
主な原因として考えられるもの
花粉は実は年中飛散しています。飛散する時期は植物の種類によって異なります。そのためご自身の症状がいつ強く現れやすいかによって、原因として考えられるものを推定することができます。
【主な花粉の飛散シーズン】
- スギ(2月~4月)
- ヒノキ(3月~4月)
- イネ科(5月~10月)
- ブタクサ(8月~9月)
- シラカンバ(3月~6月)
- ヨモギ(9月~10月)
- カナムグラ(8月~10月)
など
季節性の花粉以外にも、ほこりやダニ、ペットの毛などによってアレルギー性結膜炎が引き起こされることが多くあります。また、コンタクトレンズの汚れなどは結膜炎を直接的に引き起こす原因となりやすく、レンズの清潔な管理も非常に重要な課題となります。
花粉症が起きるメカニズム
私たち人間の体には、もともと外から侵入してくる細菌やウイルスといった異物に対して攻撃し排除しようとする防衛機能が備わっています。この働きを「免疫」と呼びますが、免疫反応が起きると組織内に炎症が起こり、結果としてさまざまな症状が現れるようになります。アレルギーも元を正せばこの免疫反応のひとつにあたりますが、異物に対して過剰なまでの攻撃や排除を促してしまうのが特徴的で、そのため目のかゆみも通常より激しく、目が真っ赤に腫れあがるなどといった不快な問題へとつながりやすくなってしまいます。特に眼球を守る結膜部分では、花粉やほこりなど異物が溜まりやすい構造となるためトラブルを生じやすく注意が必要となります。
自己判断による誤ったケアはさらに重症化を招く危険も―
目は体の中でも非常にデリケートな部位となります。かゆみや痛みを無理に我慢し続けたり、自己判断で誤ったケアをするとさらに状態を悪化させてしまう可能性が高くなるうえに、眼球そのものを傷つける危険があります。例えばまぶたの裏側に白く隆起したブツブツができると角膜を傷つけやすくなるなど、さらなる深刻な事態へと発展しやすくなります。早期に症状を抑え込むためにも、目に異常を感じたらまずはご受診ください。
コンタクトレンズの使用について
コンタクトレンズを使用されている方にとっては、花粉症シーズンは特にレンズの清潔な維持管理が求められます。花粉や汚れがレンズに直接付着しやすくなるため、結膜炎などのさまざまなトラブルが発生しやすい環境となります。1Dayタイプの使い切りコンタクトレンズは、花粉シーズンはより衛生的でおすすめです。さらに点眼薬の使用はもちろんのこと、体の内部からアレルギー症状を静めるような内服薬などを適宜併用しながらご自身の症状とうまくつきあうことが基本となります。症状が特に激しい場合には一時的にコンタクトレンズの使用を控え、メガネに切り替える対策もトラブルを防ぐためには有効です。すでに充血や結膜炎などの症状がみられる場合には、すみやかにコンタクトレンズの使用を中止し当院までご受診ください。
当院の治療方針
アレルギー性結膜炎の診断については所見をもとに行います。当院では点眼薬による治療やアレルギー症状を抑えるための内服薬などの処方も必要に応じて行っております。早期の症状の緩和や改善を治療の基本方針といたしており、花粉が本格飛散を始める約2週間くらい前からの治療開始を推奨いたしております。詳しい内容については医師までご相談ください。
点眼薬を用いた治療
症状の程度や病態によって、以下の点眼薬を組みあわせて治療します。
- 抗アレルギー剤
かゆみの原因であるヒスタミンの発生を予防します。
- 抗ヒスタミン剤
ヒスタミンの活動を抑制させる効果があります。
- ステロイド剤
主に症状が激しい場合に使用します。使用にあたっては点眼回数など、必ず医師の指示に従って正しくご使用ください。
内服薬を併用した治療
アレルギー症状の発生自体を深部から抑え込みます。
花粉を取り込まないために有効な対策
点眼薬や内服薬を用いた治療以外にも、アレルギー症状を引き起こす花粉を体内に取り込まないためにできる工夫があります。
ゴーグルやマスクの着用
外出時には花粉の吸い込みや目への付着を物理的に防ぐ専用ゴーグルやマスク、帽子の着用などによる防御が有効です。
花粉を外から持ち込まない習慣づけを
自宅に帰る際には玄関の外で服についた花粉をしっかりと払い落としてから室内に入るように習慣づけましょう。上着は花粉のつきにくい表面がつるつるとした凹凸の少ない素材を選ぶのがポイントです。
洗顔や室内のこまめな掃除で花粉を徹底除去
目の周りについた花粉を洗い落とす洗顔や目の洗浄は症状を落ち着かせるためにとても有効です。室内に入り込んだ花粉は人の動きによって舞い上がりやすくなるため、こまめな拭き掃除による除去も効果的です。
花粉症に似た症状がみられる疾患も多く存在します
目に何らかの違和感がある場合にはまずは早期にご受診ください
繰り返しになりますが、目は非常にデリケートです。激しいかゆみから強く目をかきむしってしまうと粘膜部分や眼球そのものを傷つける恐れがあるだけでなく、感染症や視力低下などさらなる深刻な事態へと発展する危険性が高まります。また、ご本人にとっては花粉症だと思い込んでいた症状が、実はまったく別の疾患であったということも実際の診療現場においてはよくみられる事例です。誤ったケアや自己判断によって症状を悪化させてしまう前に、目に何らかの異常を感じられたらまずはすみやかにご受診いただければと思います。
麦粒腫
細菌感染によりまぶたにしこりができる病気
原因
俗に「ものもらい」と呼ばれるもので、主に細菌感染によって起こります。まつげの毛根部にある脂や汗の分泌腺で感染を起こすものを「外麦粒腫」、涙の蒸発を防ぐために油分を分泌するマイボーム腺に感染すると「内麦粒腫」と呼ばれます。
代表的な症状
- まぶたに局所的な赤みや腫れがみられる
- 痛みやかゆみを感じる
- 硬さを感じるしこりがある
- 腫れた部分に膿が生じる
など
治療について
抗生物質が配合された点眼薬や内服薬を用いた治療が一般的です。患部を常に清潔に保つよう心がけ、違和感があっても直接手指で触れないよう注意します。いずれ膿が排出されて快方に向かいますが、化膿の程度がひどい場合には切開する必要があります。
重症の場合には発熱の症状がみられることもあります
抵抗力の低い小さなお子さんやご高齢の方は、まれに発熱がみられることがあります。麦粒腫は細菌感染で起きるため、人にうつす心配はありませんが手指を清潔に保ち、極力触れないよう注意しましょう。
霰粒腫
マイボーム腺がつまることで起きる無菌性の炎症
原因
涙の蒸発を防ぐための油分が分泌されるマイボーム腺のつまりが原因となり慢性的な炎症が起こります。まぶたにしこり(肉芽腫)ができるため見た目は麦粒腫と非常に似通っていますが、原因は細菌感染ではなく無菌性の炎症となります。
代表的な症状
- 痛みや赤みは特にみられないが腫れや異物感がある
- まぶたに硬さを感じるしこりができる
- 繰り返しできやすい
など
治療について
ほとんどの場合が治療を必要とせず、2~8週間程度で自然に消失してゆきます。 視界に支障が出るほどの大きさのものに関しては切開や注射治療が施されることもあります。感染を伴う急性の霰粒腫に対しては抗生剤を用いた治療が適応されます。まれに悪性腫瘍と鑑別が必要となることがあります。
繰り返す場合には手術治療をおすすめします
霰粒腫は基本的には無菌性の炎症であるため、麦粒腫のような痛みやかゆみを生じることはありません。しかし人によっては繰り返しできやすいこともあり、根本的治療を望む際には手術治療が検討されます。しこりは疲れやストレスなどによっても膨らみやすく、健康的な規則正しい生活を意識することが大切となります。
糖尿病網膜症
糖尿病の影響で網膜に血流障害が起き、視力が失われてしまう疾患
原因
糖尿病は合併症が非常に恐ろしい病気です。目との関係性も非常に深く、特に像を映し出す網膜部分に広がる毛細血管内でさまざまな障害を引き起こします。ものを見るためのシステムが根底から破壊されてしまうため、放置すればいずれ視力が失われます。糖尿病に10年以上罹患した場合にはその約半数の方に、20年以上では8割にのぼる方に網膜症が合併すると考えられています。
代表的な症状
- 目がかすむようになる
- 視力の急激な低下
- 飛蚊症が起きる
など
糖尿病網膜症はその進行レベルによって単純網膜症・前増殖網膜症・増殖網膜症と段階が分かれ、眼球内で起きる損傷の程度も増大してゆきます。最終段階では硝子体の内部で大出血が起き、突然の失明へとつながります。
治療について
内科的な血糖コントロールが基本となります。症状が進行している場合にはレーザー光凝固、硝子体手術などといった専門的な治療が必要となります。
毎年多くの人が糖尿病の合併症で視力を失っています
基本的に血糖値を正しく制御できていれば糖尿病網膜症の発症を予防することは可能です。しかしながら毎年多くの方が糖尿病の影響で視力を失っていることは紛れもない事実です。眼底検査など定期的に目の状態を詳しく確認する機会を設け、進行を最小限に抑えるための努力が必要となります。
網膜剥離
像を映し出す網膜が剥がれ落ちてしまう疾患
原因
私たちがものを見る際に像を映し出すのは網膜です。網膜部に剥がれや損傷が起きると正しく像を映し出すことができなくなり、重症の場合には視力低下を招きます。加齢が原因となることもあれば、糖尿病網膜症など別の疾患に起因するもの、頭部や眼球への物理的なショックがもととなって引き起こされるケースが実際の診療現場では多くみられます。
代表的な症状
- 視界の中に小さなゴミのようなものが見える(飛蚊症)
- 視力の低下
- 視界に閃光のようなものが見える(光視症)
- 急に大きな影のようなものが見える
- 見える範囲(視野)の一部に欠けがみられる
など
治療について
網膜の裂け目や剥がれを修復するためには一般的にはレーザー治療が用いられます。症状の程度に応じて光凝固法や硝子体手術、強膜バックリング法などといった手術治療が行われます。剥離した状態が長引くと徐々に網膜の機能が低下し、手術を行っても視力が十分に回復できなくなります。剥がれの程度が小さい初期の段階で治療を加えることが非常に重要となります。
網膜剥離は時間の経過とともに失明の可能性が高まります
網膜剥離は年齢問わず起こりえる疾患ですが、特に20代と50代に多くみられます。網膜の剥がれは時間の経過とともに拡大し、最終的には全てが剥がれ落ち失明に至ります。飛蚊症や光視症のような症状がみられた場合にはただちに眼科をご受診ください。
網膜裂孔
網膜にできた裂け目から剥離へと発展しやすい危険な状態
原因
網膜裂孔とは網膜にできた裂け目のことを言います。放置するといずれ網膜が剥がれ落ちる網膜剥離へとつながる危険性が高くなります。加齢をはじめ、硝子体の変性や萎縮(萎縮性裂孔)、硝子体と網膜の癒着や牽引(牽引性裂孔)などが主な原因となります。特に網膜の弱い部分や癒着が強い部分に穴や裂け目が発生しやすくなります。
代表的な症状
- 視界の中に小さなゴミのようなものが見える(飛蚊症)
- 視力の低下
- 視界に閃光のようなものが見える(光視症)
- 見え方の急激な変化
- 視野の一部に欠けがみられる
など
治療について
網膜をはがれにくくするレーザー治療(光凝固術)が有効となります。網膜剥離への進行は急激に起きることもあるため、見え方に異常を感じたらただちにご受診ください。
早期の異常発見を叶えるためには定期的な検査が必要です
見え方の変化はご自身だけではなかなか気づきにくいものです。網膜に関する異常は時間の経過とともに深刻化しやすく、逆に早期に見つけ出すことができれば手術治療も比較的軽いものとなります。網膜裂孔は中高年から急増しやすく、定期的な検査確認の機会を設けることが非常に重要となります。
ドライアイ
目は涙のバリアによって乾燥から守られています。しかし何らかの原因により分泌される涙の量が減ってしまったり、涙の成分に変化が起きてしまうと目を守る働きが正しく行われなくなります。ドライアイと呼ばれる症状であり、特に目の乾燥は大切な角膜や結膜を傷つけることにつながり、さまざまな目の問題が起こりやすくなります。
年齢問わず誰にでも起こりえるドライアイ
一般的に涙の分泌量は年齢とともに低下することがわかっています。しかしながら年齢問わず、ドライアイは誰でも起こりえる病気です。涙の分泌量に関しては個人差が非常に大きく、さらに日常的にパソコン作業をされる職種の方など、その方を取り巻く生活環境によっても大きく変化します。
ドライアイによる主な症状
- 目に乾燥を感じる
- 目がショボショボする
- ゴロゴロとした異物感がある
- 目が痛い
- まぶしさを強く感じやすい
- 目が疲れやすい
- 目の周りが重い
- 目がかゆい
- 目になんとなく不快感がある
- ものがかすんで見える
など
ドライアイが引き起こされる原因
代表的な原因として以下のようなものが考えられます。
空気の乾燥
空気がひどく乾燥していると、当然のことながら涙も蒸発しやすくなってしまいます。例えば秋や冬の季節の変わり目などには特に空気が乾燥しやすくなるため、ドライアイを生じる患者さんが増加します。また夏場においてもクーラーの利いた部屋に長時間いると目が乾燥しやすい環境となるため注意が必要です。
まばたきが極端に少ない
まばたきは涙のバリアを維持するために頻繁に行われています。しかしながら読書やパソコン、細かい作業などでものを集中し過ぎて見てしまうとまばたきの回数は極端に減ってしまいます。すると目が外気に触れる時間が長くなり、必然的に涙の蒸発量も増加します。さらに、まばたきの運動は涙腺を刺激して涙の分泌を促す役割も担っているため、まばたきの回数が減ってしまうと分泌量自体も減ってしまうことにつながり目の乾燥がさらに加速します。
コンタクトレンズの使用による影響
コンタクトレンズには水分がたっぷりと含まれているものもありますが、時間の経過とともに自然と水分が蒸発し、コンタクトレンズが逆に涙を吸収し始めることがあります。さらに涙の水分が蒸発してしまうと目に乾燥やレンズによる痛みを感じやすくなります。
生活サイクルの乱れ
睡眠不足は特に目に激しい疲れを感じさせる原因となったり、直接的にさまざまなダメージをもたらします。規則正しい生活を取り戻すことで目に対するストレスが解消され、症状が改善へと向かう場合があります。
加齢による影響
年齢を重ねるほどに涙の分泌機能が低下し、作られる涙の量も減ってしまいます。
その他にも涙腺の詰まりやマイボーム腺と呼ばれる油分の分泌に関わる場所に障害が起きるケースなど、さまざまな問題や疾患によってドライアイは引き起こされやすくなります。膠原病やシェーグレン症候群など他の病気が起因するケース、血圧の薬や精神疾患に用いられる薬の副作用によって涙の分泌量が減少してしまうケースなどもみられます。診断に必要となる検査
涙液層破壊時間(BUT/Break Up Time)検査
目の角膜表面の涙をはじく程度を分析する専門的な検査です。10秒間まばたきをしない状態を保つことで目の表面の涙の状態を観察させていただきます。時間の経過とともに涙のバリアが均一に角膜表面を覆えているかを分析します。
当院の診療方針について
ドライアイの治療については、まずは目を乾きにくい状態へと潤いを与える改善が必要となります。目の細胞に直接働きかけて保湿成分を補充するジクアス点眼薬を使用する治療が基本となります。点眼薬の使用回数に関しては、その方の目の乾燥の程度に応じて調整が必要となります。
ドライアイの方のコンタクトレンズのご使用について
ドライアイの場合にも基本的にコンタクトレンズはご使用いただけます。ただし、乾燥の程度が重度の場合には、簡単な手術治療を用いた改善も検討されます。詳しくは医師までお問いあわせください。
日常生活の中で手軽に取り組める改善も意識して―
ドライアイは普段の生活習慣とも密接に関係しています。症状の軽減にあたっては、日常生活の中から改善できるポイントを見つけて積極的に取り組む姿勢が大切となります。
目を休ませる工夫を―
長時間のパソコン作業などは目を非常に疲れさせます。1時間作業を行った場合には15分程度目を休ませるように工夫するなど、目にかかる負担を軽減させる取り組みが有効となります。例えば温めたタオルをまぶたの上に乗せて目の周りの血流を良くしたり、定期的に遠くの景色を見るなどリラックスする時間を設けることも有効です。
意識してまばたきを行う
仕事や勉強など集中して作業を行う際にはまばたきの回数が減っています。まばたきが減ると涙のバリアが全体的に弱まり、涙の分泌量も減ってしまうことにつながります。意識してまばたきの回数を増やすなどといった工夫も大切です。
目の周りを優しくマッサージ
涙を分泌する涙腺まわりや油分の分泌を促すマイボーム線など、目の周りを優しい力で軽く抑えるだけでも分泌に良い刺激を与えられます。マッサージの際には手や指先を清潔にしておこなってください。
室内の加湿やエアコンの風向きなどにも注意を向けて―
空気の乾燥はドライアイの大敵です。室内の湿度が極端に低かったり、エアコンの風量が強過ぎたりすると空気が乾燥しやすく、ドライアイの症状も強く感じがちとなります。また、エアコンや送風機の風向きなども重要なチェックポイントのひとつ。風が直接当たらない場所へ移動したり、風向を変えることで症状を和らげることができます。
ドライアイが引き金となって重大な眼の疾患を招くことも―
異物感や目の疲れを感じたら早期に眼科をご受診ください
ドライアイの症状は誰にでも起こりやすい問題です。そのため軽く捉えがちになったり、違和感を長らく放置されてしまわれる患者さんも実際多くみられます。ドライアイの症状がきっかけとなって重大な目の疾患が引き起こされているケースも実際の診療現場ではみられます。目に異常を感じたら、できるだけ早期にご相談にお越しください。
飛蚊症
視界に小さな虫やゴミが浮いているように見える飛蚊症
原因
飛蚊症は加齢が主原因となりますが、網膜剥離や緑内障などの疾患によって引き起こされることもあります。眼球を形作る硝子体は99%以上が水で構成されています。年齢を重ねると硝子体成分が変性しやすく、内部にできるしわや網膜の剥がれなどが小さな虫やゴミが浮いているように目に映るようになります。
代表的な症状
- 小さなゴミや黒い虫のようなものが動いて見える
- 視線を動かすと追いかけてくるような動きが見える
など
治療について
飛蚊症の治療で最も重要なことは、その原因が生理的なものにあるのか別の疾患に起因するものなのかを正しく診査することです。飛蚊症が視力や視野に悪影響を与えることはないため、程度によって治療の必要の有無が検討されます。中には重大な疾患(網膜裂孔・網膜剥離・硝子体出血・ぶどう膜炎)の前兆となることもあるため警戒が必要です。
若い方にも飛蚊症の症状が現れることがあります
パソコンやスマートフォンなどを日常的に使用する若年層にも飛蚊症が広がっています。飛蚊症はものの見え方自体に特に影響を与えることはないため過度に慌てる必要はありませんが、飛蚊症の症状を感じ始めたら眼底検査など専門的な検査をご検討いただく必要があります。
VDT (visual display terminal)症候群・眼精疲労
目を過度に酷使することで全身に広がるさまざまな問題
原因
デジタル機器の発達により、私たちの目は以前に比べてさらに酷使される環境となりました。長時間のパソコン作業などは特に目に激しい疲れをもたらします。まばたきの回数も減少しやすいため、さまざまな目のトラブルを生じやすくなり、身体的・精神的な問題にまで広く発展しやすくなります。
代表的な症状
- 目の疲れ
- 目のかすみ
- 目の乾き
- 目の中の異物感
- 充血
- 視力の低下
- 目の痛み
- 光を過度にまぶしく感じる
- 慢性的な頭痛
- ひどい肩凝り
- 吐き気
など
十分な休息や睡眠をとっても症状がなかなか改善されにくい状態となります。
治療について
目に負担をかけている原因をまずは精査する必要があります。度数のあわないメガネの使用や長時間にわたる細かな作業も目に疲れを生じさせる代表例です。緑内障や白内障の症状が出現することもあるため警戒が必要です。症状の改善にはビタミン剤の配合された点眼薬や内服薬を用いた治療が有効とされています。デジタル機器の使用頻度が多い場合には、作業の合間に適度な休憩を挟んだり、まばたきの回数を意識して増やすこと、目を潤す点眼薬を積極的に用いるなどといった対策が求められます。
近年では眼精疲労の低年齢化が顕著です
日常生活におけるデジタル機器の存在は今や当たり前の光景となりました。大人だけでなく子供たちも日常的に接しやすく、長時間の使用が行われています。目の疲れはイライラや不安感など精神状態とも密接に関係しています。正しい付きあい方をあらためてご家庭内でも話しあっていただきたいと思います。
小児眼科外来
パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの使用が当たり前となってきた現代において、近年では特に近視に悩むお子さんたちが急増しています。大切なお子さんたちの目を健康に正しく守るためには、親御さんたちを含めた周りの大人たちの注意深い見守りが欠かせません。特に低年齢のお子さんたちの目は機能も未発達で、異常を早期発見するためには専門性の高い詳しい検査が必要となります。普段の目の動きや様子に気になる点がある場合には、まずは早期に一度当院までご相談いただければと思います。
小児期の目は成長とともに機能が発達してゆきます
例えば乳児期の視力は0.3程度しかなく、「ものを見る」という機能自体が未完成です。発達のスピードも個人差がとても大きく、その子の体の成長とともに徐々に目の機能も安定して作られてゆきます。複雑な乳幼児期の目を正しく分析するためには、専門性の高い詳しい検査をお受けいただく必要があります。お子さんの目に何らかの異常やご不安を感じるようであれば、ぜひ一度ご相談にお越しください。当院では3歳以上から誰でも検査をお受けいただけます。
異常を放置すると弱視などの将来的な問題につながる可能性も―
発達ピークを迎える乳幼児期の目は、異常を異常と感じないまま長期に渡って放置され続けてしまうケースもよくみられます。特に弱視は就学前の段階で異常を見つけ出し、適切な治療を加えることができなければ将来にわたって深刻な問題を抱える恐れがあります。明らかな異常がある場合には、多くは3歳児検診の際に指摘されることが多いですが、発見が遅れると視機能が正常に発達できず、視力がでにくくなってしまいます。
お子さんにこんな変化は見られませんか?
- 画面に極端に近づいてテレビを見るようになった
- 写真に写る際の目の動きが気になる
- 片方だけの目を使うような特徴的な動きがある
- 目を細めてものを見るようになった
- 目やにが多く出るようになったり、充血がみられるようになった
- 集中力が続かない
- すぐに目が疲れやすい
など
近年は子供たちの目を取り巻く環境が大きく変化しています
子供たちの目を取り巻く環境は、一昔前と比べると大きく変化しています。パソコンやスマートフォン、ゲームやタブレット学習なども当たり前となってきた現代では、幼い頃から目を酷使し続けることが日常的となってきています。特に目の機能発達が未熟な乳幼児期では急激な視力低下を招く危険があります。実際、当院の診療現場においても近視のご相談でお越しになられるお子さんたちが急増しています。まずはご家庭内でIT機器との正しいつきあい方について理解を深め、目を守る努力をしていただけたらと思います。
また一方で、一歩外に出れば降り注ぐ紫外線量も年々増加しており、目に受けるダメージが深刻化しています。強過ぎる紫外線は目の角膜を直接的に傷めることへとつながります。外遊びの際にはお子さんに必ず帽子を被せるなど、紫外線から目を守る工夫も忘れず行っていただきたいと思います。近視の進行を抑える「マイオピン」
マイオピンは小児期の近視抑制治療のひとつとして昨今注目を集めています。低濃度のアトロピンを含んだ点眼薬を1日1回使用するだけで近視の進行を平均60%軽減させる効果があると考えられています。近視は進行するほどにさまざまな疾患を引き起こす危険がある病気です。小さなお子さんの大切な眼を守るために早期の治療をご検討ください。
マイオピンについての詳しいご説明はこちらお子さんの目の異常は早期に気づき、適切な治療を開始することができれば高い確率で回復が期待できます
一般的にお子さんの目の異常は3歳児検診の際に発見されることが多いです。疾患の程度や合併症の有無にもよりますが、早期に異常を見つけ出し、それに対する適切な治療を開始することができれば多くの場合には回復を見込むことが期待されています。その気づきはまさに普段からお子さんの近くにいらっしゃる親御さんや大人の方たちの見守りから生まれています。お子さんの目の動きや普段の生活の中で不安を感じられることや気になる点がある場合には、どうぞお早めに当院までご相談ください。
お子さんの目にまつわるトラブルは非常に多岐に渡ります
特に言葉の発達がまだおぼつかない乳幼児期のお子さんたちは汚れた手で目をこすりやすかったり、転倒によるケガや事故など思いもかけない目のトラブルに見舞われやすいため注意が必要です。視力の発達もまだ成長段階にある小児期は「正しく見える」という感覚自体もご自身だけではまだ説明がうまくできません。重大な異常を決して見逃さないために、普段の見守りに加えて目に何らかの異変を感じたらまずは検査をお受けください。
コンタクトレンズの処方について
コンタクトレンズを安心安全にご使用いただくためには、まずはご自身の正しい数値を知る必要があります。また、コンタクトレンズの処方にあたっては、患者さん一人一人の使用スタイルやご要望などをしっかりとお聞きしたうえで最適なコンタクトレンズをご案内させていただきます。
例えば
- スポーツ時に使用したい
- 外出時のみコンタクトレンズを使用したい
- 老眼に悩まされている
などといったご要望がある場合には医師やスタッフまで詳しくお伝えください。
コンタクトレンズは角膜(黒目)に接触して視力を補正したり、虹彩または瞳孔の外観(色・模様・形)を変えることのできる高度管理医療機器です
私たちの目は、角膜や水晶体を通る際に屈折を起こした光によって網膜上に像を結び、ものを認識することができています。視力補正用のコンタクトレンズを用いると、正しい網膜の位置で像を映し出すことができるため、近視や遠視、乱視などといった目の調整機能の問題でお悩みの方に大変手軽で便利な医療機器となっています。また、虹彩や瞳孔の外観、瞳の印象を変えることを主目的としたカラーコンタクトレンズやサークルレンズなどにも視力補正用のコンタクトレンズがございます。
コンタクトレンズを使用するメリット
メガネのご使用からコンタクトレンズに変更される患者さんは増加しています。
- メガネのようにつけ外すわずらわしさがない
- 重さを感じない
- 自然な印象を与える
- 視界が広がる
- メガネのようなくもりが出ない
- 左右の目の度数差が大きい場合にも無理なく矯正可能
- スポーツ時における危険が少ない(転倒や衝撃による目の怪我など)
などコンタクトレンズならではの利点も数多くあります。
コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズはレンズの材質によって大きく2種にわけられます。
ソフトコンタクトレンズ
水分を含んだ柔らかい材質で作られており、目に装着しても比較的違和感が少なく、初めての方も安心して扱いやすいレンズとなります。レンズサイズも黒目よりやや大きく、はずれにくい設計となるためスポーツ時の使用などに適しています。
ハードコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズと比べると硬い材質で作られているレンズのため、初めてご使用される場合には違和感を生じやすいレンズとなります。黒目より一回り小さなレンズサイズとなるため、扱いに慣れるまでには少し練習が必要となります。乱視が強い方にはハードコンタクトレンズがおすすめです。
まずは現在の眼の状態を詳しく確認させていただきます
コンタクトレンズの処方にあたっては、
- 目そのものの見え方の不具合の問題
- 目にまつわる疾患の有無
などを細かく検査・確認させていただく必要があります。
【必要となる検査】
- 視力検査
- 眼科医師による診察
当院では専門的な知識に長けた検査員が検査室にて詳しく状態確認をさせていただきます。
コンタクトレンズの適性確認
各種検査によってコンタクトレンズの使用が可能と認められた場合には、実際にご希望のコンタクトレンズを装着してみて不具合がないかを確認いたします。コンタクトレンズは一概に誰の目にもフィットするものではないため、一人一人の患者さんの目の形状や状態、ライフスタイルなども十分考慮したうえで最適なコンタクトレンズ選びをお手伝いさせていただいております。
特に初めてコンタクトレンズをご使用される場合には、当院スタッフが丁寧にご指導させていただいております。レンズの取り外し時の練習だけでなく、普段のレンズ管理の方法、取り扱い時の注意点やその方の生活スタイルにあったご使用方法まで細かくアドバイスさせていただきます。その後の通院ペースについて
初めてコンタクトレンズをご使用される方の場合には、初回の診察時から約2週間後の来院をおすすめしております。その後は数カ月に1回くらいのペースで不具合がないかを定期的に確認いたしております。コンタクトレンズに慣れないうちは目のトラブルを経験される方も多いため、目を健康に正しく守るためにも定期的な通院をおすすめします。
ドライアイにお悩みの方や遠近両用レンズをご希望の方にも最適な商品を多彩にご用意いたしております
ドライアイの症状にお悩みの方におかれましてもコンタクトレンズはご使用いただけます。症状がひどい場合には、目薬などを適宜併用しながらご使用いただくことが可能です。また、最近では遠近両用のコンタクトレンズなども登場し、ご希望される患者さんが増えています。老眼鏡とコンタクトレンズをあわせてご使用されると、さらに遠方と手元がクリアに見えやすくなるとご好評いただいております。ただし、全ての方に適応されるレンズではないため、いずれも詳細な検査確認を行ってから最適なものをご紹介させていただきます。
【当院は便利な院内処方】
当院は院内処方を採用いたしております。ドライアイの症状にお悩みの患者さんなどは、必要な眼薬のお受け取りなど当院内ですべて完結することができます。
※一部当院で取り扱いのない薬剤や特別な薬のご希望がある場合には、別途処方箋をお出しするケースもあります。ご了承ください。お子さんのご使用についても特別なご希望がある場合には医師までご相談ください
お子さんのご使用にあたっては、当院では基本的には中学生以上の年齢を推奨いたしております。ただし熱心にスポーツに取り組まれている小学生の方などでコンタクトレンズの使用をご希望される場合においては、別途医師までご相談いただければと思います。の短時間の使用に限るなどさまざまな工夫や対策を取ることによって、小さなお子さんの目を安心安全にお守りいたしております。
コンタクトレンズは年々進化を遂げています
目に異常を感じたら直ちにご相談ください近年のコンタクトレンズはますます目覚ましい進化を遂げています。一昔前のレンズと比べてもレンズも非常に薄く軽くなりましたし、着け心地も見え方もより自然となりました。使い捨てコンタクトレンズの種類もニーズに応じてバリエーション豊かとなっています。ただし、コンタクトレンズの取扱い方法を誤ってしまうと今まで同様、重い目の障害につながる危険があります。これからもコンタクトレンズを安心安全にご使用いただくために、添付文書はよく読み、眼科医の指示に従って正しい取扱い方法を守るようにご注意ください。装着時間は正しく守り、少しでも目に異常を感じるようなら直ちに眼科医の診断を受けて治療を開始してください。